か (おお振り/浜泉)
 手知ったる、とはいうものの、勝手を知っている時点で客扱いではないからそれはもう自分の家なんだと思う。つまり、例えば泉孝介が俺の家の冷蔵庫を漁り、風呂の準備までして床に突っ伏していても、俺は何の文句も言わない。けど、 「ぜーんぶ中途半端で終わってるぞー」 食べたものは出しっぱなしで風呂は準備万端で入浴客を待っているまま。疲れてたのはよーく分かるけどね。  どうせだったら本当に家族になればいい。そしたら俺が毎日飯を作って、泉が風呂の準備をして、あとは…うん、何でもいいや。泉がいれば幸せ。  起こすか起こさないかでかなり迷って、結局起こさないことにした。風呂の準備までして力尽きているんだから、よっぽど疲れているんだろうし、黙ってる可愛いだけの泉を眺めていられる少ないチャンス。ちゅーしても起きないかな……  さーてと。ところでこれを片付けるのは一体誰の役目なのか。


き (おお振り/浜泉)
 まって9時過ぎにはもう睡魔が襲い掛かってきて、俺はそれにいまだ勝ったことはない。今日だってせっかく風呂まで準備したのに、タイマーでもかけたかのように瞼が自然と下りてきて、やっぱり俺はそれに抵抗しきれずに身を任せた。  落ちていく意識の片隅で、あー…食べたもの片づけなきゃ、とか、服脱ぎっぱなしだ、とか思ってはいるけど体が動かないからしょうがない(ことにしよう)。どうせ浜田が片付けてくれるし。  ああ畜生、早く帰って来い。


く (APH/米英)
しみを分かち合えないことは知っていたけど、こうも目の前で泣かれると目を逸らすこともできない(ということを多分本人は知っていて、俺はこれがわざとだということも知っている)。毎度毎度、何に屈して、何を畏れて泣いているのかは知らないけど、何も聞かずにこうやって傍にいることに義務感さえ感じ始めていた。きっと海を渡った向かいの腐れ縁や、遠い島国の小さな友人だったら、彼を宥めて甘やかす言葉をいくつも知っているだろうに。俺はそんな言葉は知らないし、知っていたところでかけてやることもできないんだきっと。  それでも、この人は決まって俺を選んでくれる。なんて馬鹿みたい(この人も、俺も)。








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